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「本を売るならメルカリのほうが高く売れる」と聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。実際、状態のいい本や人気のタイトルであれば、フリマアプリのほうが買取サービスよりも高値がつくことは珍しくありません。
しかし、「高く売れる」という結果だけを見て、費やした時間や手間を計算に入れていない人も意外と多いのではないでしょうか。
試しに、文庫本を1冊メルカリで売る場合の工程を、順を追って考えてみましょう。
まず、商品の写真を撮ります。表紙、裏表紙、状態がわかるページなどを何枚か撮影し、光の当たり方を調整しながら見栄えのいい写真を選びます。
次に商品説明を書きます。タイトル、著者名、状態、発送方法などを入力し、適切なカテゴリを選択します。そして価格を決めるために、同じ本の出品状況をいくつか確認し、売れやすい価格帯を探します。
ここまでで、早くても10分から15分程度はかかるでしょう。写真映りにこだわったり、説明文を丁寧に書いたりすれば、あっという間に20分、30分と時間は伸びていきます。
梱包・発送・やり取りを時給に換算してみる
出品作業が終われば、それで終わりではありません。ここからもさまざまな作業が発生します。購入希望者が現れれば、コメントのやり取りが発生することもあります。「値下げ可能ですか」「状態はどうですか」といった質問に、一つひとつ返信する必要があります。
売れたら、今度は梱包作業に入ります。本を汚れや水濡れから守るための梱包資材を用意し、緩衝材やOPP袋で包みます。さらに、発送のためにコンビニや専用機などで手続きを行う必要があります。発送が完了すれば、受け取り評価を待ち、無事に取引が完了して初めて入金となります。この一連の流れにかかる時間を合計すると、出品から入金完了まで、1冊あたり短くても30分、やり取りが長引けば1時間近くかかることもあります。
ここで、実際に手元に入る金額を考えてみましょう。文庫本1冊がメルカリで500円で売れたとします。しかし、そこから販売手数料が差し引かれ、さらに梱包資材の実費もかかります。手元に残る金額は、400円台前半になることもあるでしょう。
これをかかった時間で割ってみると、時給換算では決して高いとは言えない金額になることがあります。もちろん、1冊あたりの単価が高い専門書や希少本であれば話は別です。しかし、一般的な文庫本や実用書をまとめて処分したい場合、この「時間対効果」は見過ごせないポイントになります。
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これが1冊だけの話であれば、多少の手間も「まあいいか」で済むかもしれません。しかし、本棚を整理して10冊、20冊、あるいは50冊単位で不要な本が出てきた場合、状況は大きく変わります。単純計算で、1冊あたり30分かかるとすれば、20冊出品するのに10時間も必要になります。
しかも、これは一度にまとめてできる作業ではありません。出品してから売れるまでにはタイムラグがあり、コメント対応や発送はその都度、生活の合間を縫って行う必要があります。結果として、「本棚を空にする」という当初の目的を達成するまでに、数週間から数ヶ月かかることもあります。
その間、売れ残った本は部屋のどこかに置きっぱなしになり、片付けたいと思っているのに、なかなか部屋がすっきりしないという状況になる可能性もあります。
もちろん、フリマアプリでの販売そのものが悪いわけではありません。単価の高い本や、コレクター需要のある本であれば、時間をかけて出品する価値は十分にあります。問題は、すべての本を同じやり方で売ろうとしてしまうことです。
まとめて買取に出せばその場で完結
ここで比較対象として考えたいのが、まとめて買取に出すという方法です。宅配買取や店頭買取、出張買取といったサービスでは、複数の本を一度に査定に出すことができます。段ボールに詰めて送るだけ、あるいは店頭に持ち込むだけで、あとは査定結果を待つだけです。
一冊ずつ写真を撮ったり、説明文を考えたり、購入者とやり取りしたりする必要はありません。査定額はメルカリでの個別販売に比べれば低くなることが多いのは事実です。
しかし、その代わりに節約できるのが「時間」です。20冊の本を1回の梱包と発送だけで手放せるとしたら、それだけで数時間から十数時間の作業時間を節約できる可能性があります。
つまり、本を売るという行為には、「なるべく高く売る」という軸と、「なるべく手間をかけずに手放す」という軸の2つがあります。どちらが正しいということではありません。自分がどちらを優先したいかによって、選ぶべき方法は変わります。
「手間をお金に換える」という発想の転換
「時間はお金である」という言葉がありますが、これは本の処分においても当てはまります。高値で売ることにこだわるあまり、休日の何時間もを出品作業に費やし、平日の夜にコメント対応をし、忙しい合間を縫って発送作業に出向くことになります。
その時間を、仕事や趣味、家族との時間、あるいは単純な休息に充てられたとしたら、どちらが自分にとって価値があるでしょうか。すべての本をフリマアプリで売る必要はありません。
本当に高く売れそうな本や思い入れのある本だけをじっくり出品し、それ以外のまとめて処分したい本は買取サービスに任せるという方法もあります。
このように使い分けることで、本の整理そのものをよりストレスなく進められるようになります。「高く売る」ことだけがゴールではありません。自分の時間をどう使いたいかという視点を持つことで、本の手放し方の選択肢はもっと自由になります。
まとめ
メルカリは、本によっては買取サービスより高く売れる可能性があります。しかし、その分、写真撮影や商品説明の作成、価格調査、コメント対応、梱包、発送といった時間や手間がかかります。
特に、処分したい本が何十冊もある場合は、1冊ずつ出品するだけでもかなりの時間が必要になります。高く売れそうな本はメルカリで個別に売り、それ以外の本はまとめて買取に出すなど、自分の目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。
少しでも手間を減らして本棚をすっきりさせたい場合は、まとめて買取サービスを活用する方法も検討してみてください。

